古河電池株式会社(本社:横浜市保土ケ谷区、代表取締役社長:黒田修、以下古河電池)製の宇宙用リチウムイオン電池が搭載された「小型月着陸実証機『SLIM』(以下SLIM)」が、日刊工業新聞社主催の「第54回 日本産業技術大賞 文部科学大臣賞」を受賞しました。

日本産業技術大賞の概要

 日本産業技術大賞は日刊工業新聞が主催する表彰制度で、その年に実用化された革新的な大型産業設備や先端技術の開発など、産業界や社会の発展に貢献した製品を表彰するものです。

 今回、文部科学大臣賞の表彰対象となったSLIMには多くの企業がかかわっており、宇宙航空研究開発機構(JAXA)と、当社を含む12社合同での受賞となりました。 

2025年4月2日 贈賞式
左から、技術本部 近藤 宏篤、小出 和也、平 芳延
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2025年4月2日 贈賞式
左から、技術本部 近藤 宏篤、小出 和也、平 芳延
ステンレスラミネート型
リチウムイオン電池
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ステンレスラミネート型
リチウムイオン電池

古河電池の役割

 SLIMは2024年1月20日(日本標準時)に高精度月面着陸を達成しました。目標地点に対する精度100m以下での着陸成功は世界初、打ち上げ重量約700㎏は世界最軽量級の着陸機です。小型・軽量かつ高精度で着陸可能な探査機システムの実現は、今後の月惑星探査や月面開発による人類の活動領域拡大に貢献することが期待されております。 

 当社は、SLIM搭載に向けたステンレスラミネート型リチウムイオン電池を開発いたしました。従来よりも大幅な軽量化を実現した本電池は、SLIMの目標の1つであった電池を含めた電源システムの軽量化に貢献いたしました。

古河電池の取り組み

 当社はこれまでも宇宙用リチウムイオン電池の開発・製造をしており、小惑星探査機「はやぶさ」「はやぶさ2」などの搭載実績を有しています。過酷な宇宙環境での耐久性と軽量化を両立した技術力・品質・ノウハウを当社製品のものづくりに活かしていくことで、今後も持続可能な社会の実現に貢献してまいります。