古河電池は、当社が取り組むべき8個の重要課題(マテリアリティ)の特定を行いました。

 

特定の背景には、近年、持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals:SDGs)が採択されたことやESG投資の拡大、国際的な規範やガイドラインにおいてもサステナビリティの重要性は高まっていることが挙げられます。特定したマテリアリティは当社計画にも影響を及ぼすことから、2025年度に向けた中期経営計画に反映するとともに、マテリアリティごとにKPIを設定し、定期的にサステナビリティ委員会で進捗をモニタリングすることといたします。また、継続的にステークホルダーの皆様と対話を図ることで、課題解決に向けた取り組みを実施いたします。

マテリアリティ特定のプロセス

マテリアリティは以下の5つのStepで特定いたしました。
具体的にはまず当社の事業・取組の棚卸しを行うとともに、SDGsやGRI(グローバル・レポーティング・イニシアチブ)スタンダード等の国際的ガイドラインから当社と関連する社会課題の抽出を行い、事業との紐付けを行いました。次に、「社会への影響度」と「事業における重要度」の双方の視点から、マテリアリティ・マトリクスを作成いたしました。その上で、外部有識者との意見交換会を実施する中で頂いたご意見を反映し、取締役会での承認を経て、特定しました。今後は、サステナビリティ委員会にてKPI管理を行い、定期的に進捗をモニタリングします。

Step1 社会課題の整理

当社の事業・取組の棚卸を実施し、SDGsやGRIスタンダード等の国際的ガイドラインから社会課題と当社課題の紐付けを行い、当社と関係のある社会課題テーマを特定。

Step2 マテリアリティ・マトリクスの作成

当社と関係のある社会課題テーマから「社会への影響度」・「事業における重要度」の2軸で重要度評価を行い、マテリアリティ・マトリクスをもとに、8項目のマテリアリティを仮定。

【マテリアリティ・マトリクス】

Step3 妥当性の検討

外部有識者との意見交換会を実施

【外部有識者氏名】

有識者プロフィール

意見概要

大学院大学至善館教授

ピーターD.ピーダーセン 様

  • マテリアリティ項目の「脱炭素社会の実現」、「環境配慮型製品の提供」、「強靭なインフラ構築への貢献」についてR&D中心にパートナーシップを活用しながら価値創造プロセスを明確にしていく必要がある。
  • 人材育成の推進は、どの企業も取り組む内容であるので、古河電池としての考え方を明確にしていく必要がある。

放送大学 客員教授

関 正雄 様

  • 「とりあえずすべきことをする」というレベルではなく、2030年や2050年という遠い将来を今から見据え、目標を意識したマテリアリティにするとよい。
  • TNFDで情報開示基準づくりが進んでいる生物多様性にも留意が必要であり、取り組みを進めておくべき。人権・労働の分野では、各論にとどまらず、国際原則に則った取り組みが必要である。

Step4 マテリアリティの特定

2021年10月の取締役会を経て正式決定

Step5 マテリアリティのKPI指標の設定

マテリアリティのKPI指標を検討し、設定

1 脱炭素社会実現への貢献

適用範囲

国内

KPI

CO₂排出量の削減率

2022年度目標

13%減(2017年度比)

2022年度実績

13.9%減(2017年度比)

2025年度目標

25%減(2017年度比)

2 循環型社会の推進

適用範囲

国内

KPI

再生材料利用率向上

2022年度目標

75%以上

2022年度実績

76.5%

2025年度目標

80%以上

3 環境配慮型製品の提供

適用範囲

国内

KPI

全製品の売上高に占める環境配慮型製品の売上比率

2022年度目標

30%以上

2022年度実績

33.8%

2025年度目標

35%以上

4 強靭なインフラ構築への貢献

適用範囲

国内外

KPI

社会インフラ用途売上高比率

2022年度目標

90%以上*1

2022年度実績

94.0%*1

2025年度目標

90%以上*1

*1:産業セグメント(リチウムイオン電池含む)

5 技術・研究開発の推進

適用範囲

国内

KPI

開発計画の推進

2022年度目標

推進計画に対して100%実施*2

2022年度実績

100%*2

2025年度目標

推進計画に対して100%実施*2

*2:推進計画の進捗率は、総合的な判断に基づいて管理しています。

6 人権の尊重

適用範囲

国内

KPI

人権DD*³の推進

2022年度目標

推進計画の整備

2022年度実績

国内グループ会社を含む人権DDの実施

2025年度目標

国内グループ会社を含む人権DDの実施

*3:DD デュー・デリジェンス

7 ダイバーシティの推進

適用範囲

国内

KPI

女性管理職比率

2022年度目標

2%以上

2022年度実施

3.1%

2025年度目標

5%以上

8 人材育成の推進

適用範囲

国内

KPI

階層別研修の対象者の参加率

2022年度目標

100%

2022年度実施

100%

2025年度目標

100%