ドローン用電池で農業の課題解決を!!


前回、ロボット、ドローンに搭載する積層ラミネート形リチウムイオン電池の開発エピソードを
お伝えしましたが、いかがでしたでしょうか?
前編はこちら

後編はドローン用電池の導入事例です。
ロボット用に続いて、ドローン用電池も少しずつ社会に貢献しはじめています。
 

■ラジコンヘリのデメリットを補う農薬散布ドローン

空飛ぶロボット、つまりドローン用の電池を当社が最初に開発したのは2016年度で、
空撮など一般産業用のドローンを対象としていました。
一方で、農薬散布にラジコンヘリが活用されていたのですが、
音が大きく、狭い場所に不向き、本体価格が高いといった課題があり、
ドローンを使いたいという声が出始めていました。

しかし、農薬散布にドローンを使うとなると、ドローンに重い農薬を積んで飛ぶため、
これまでよりもより大型でかつ、なるべく軽い電池にする必要
が出てきました。

そこで、他の用途に使用していた積層ラミネート形リチウムイオン電池を
改良してドローン用電池をつくり、課題解決に貢献しようということになりました。
ところが、通常の電池と異なり、電力の使い方が特殊ということが判明。

「ドローンの場合は、浮かんでいるだけでかなりのエネルギーを使います。
急上昇は追加のエネルギーが必要ですが、農薬散布用は飛行高度も低く、
横に移動するだけなら浮いているのと同程度のエネルギーで十分です。
だとしたら、過大な負荷に対応するより、安定して、連続的に横移動できるような
エネルギー密度・出力密度を設定した方がいいと考えました」


と当社の渡辺 均は語ります。
 

さらには、実際にドローンを使用するユーザーの事を考え、
細部にまでこだわりと思いやりを詰め込みました。

電池を開発するにあたり、実際にユーザーを訪問してみたところ、
大規模農業をおこなっている農業法人がドローンを導入し、
個人の農家の分まで農薬散布を引き受けていることがわかりました。

そのため、ドローンの専門家ではない農業従事者でも使いやすいように、
簡単に電池が装着できる一体型コネクタにしてみたり、
運搬しやすい梱包にしてみたりと、使い勝手も工夫しました。


そういった経緯があってドローンという最先端テクノロジーにより農業の大規模化が推進され、
世代交代をも担うきっかけとなりつつあります。

「あと10年くらいしたら、農業のスタイルが随分と変わってくると思います!​​​​​​」
 

■ドローン物流を支えるのは、高品質で高機能な電池

さて、多くの人が気になっているのがドローン物流。
2022年後半に予定されている改正航空法の施行で、
レベル4(ドローンの有人地帯における目視外飛行)の飛行が可能になり
山奥や離島にも荷物が届けられるようになります。


「ただ、目視外飛行こそ、ドローンメーカーが求める高いエネルギー密度を達成しつつ、
安全性や信頼性を確保しなければなりません。
今後は、積載量を増やしたり、長時間の飛行を可能にしたりといったニーズも生まれてくるでしょう。
そうしたときに、古河電池なら実現できると思ってもらえるように、
ひとつひとつ信頼を積み重ね、市場を拡大させていけたらいいですね」。


ドローンを頻繁に目にする日がくるのも、もう少しです。
 


古河電池ではバッテリーでドローンの社会実装に貢献するため、
『安全で長時間の飛行を可能とする、より高いエネルギー密度の電池の開発』
に関するプレスリリースを先月発表しました。(詳しくは こちら)
 


ぜひ前編もお読みください!


製品導入事例はこちらから
 

電池に関してのお困り事がありましたら、お気軽にお問い合わせください。
リチウム事業統括部 営業部

渡辺 均
古河電池株式会社
研究開発本部 新事業推進部 新事業開発グループ長 兼 LBシステム開発部