冬場になると気になるのが自動車のバッテリー上がり。
メカに強い人なら、ボンネットを開けて別の自動車のバッテリーとつないでエンジンを始動させる、
なんてお手のものでしょうが結構厄介ですよね。
という前置きはさておき、
どうして自動車のバッテリーと言えば、鉛蓄電池なのかご存知ですか?
ガソリン車が日本で実用化されたのが明治末期、乗用車の量産が始まったのが1960年代以降。
ということを考えると、推測ではありますが、
すでに製品化されていた鉛蓄電池の特性に目が向けられたのではないでしょうか。
まず量産を目指すのであれば、重要になるのが安全性とコストですから、
品質が安定していて、衝撃時でも異常を起こすリスクが低い鉛蓄電池が適していたと。
しかも、鉛蓄電池は交換・メンテナンスも容易。
自動車用に大量生産すれば鉛蓄電池のコストも下げられるというシナリオではないかと思われます。
ただ、EV(電気自動車)やハイブリッドカーの場合はちょっと違います。
そう、リチウムイオン電池が搭載されているのです。
それだけでなく鉛蓄電池まで搭載!
駆動用としてリチウムイオン電池、車両システムを動かすための補機用として鉛蓄電池が必要なのです。
設置場所は、自動車メーカーによって異なるのですが、リヤシートやラゲッジルームの下など。
車に乗らない期間が長いなどの場合には、
ガソリン車と同じようにバッテリー(鉛蓄電池)が上がることもあります!
電車のバッテリーはどうなっているでしょうか?
電車の場合は主にアルカリ蓄電池が使われています。
アルカリ蓄電池は鉛蓄電池に比べて電池容量が減っても電力を放出する能力が高いのです。
また、寒冷地で使えるという特長も。
確かに公共の乗り物で、冬場に凍結したり、車両性能が下がったりしたら大変です。
設置場所はメンテナンスや交換が容易にできる車体下部。
用途はパンタグラフの昇降や停電時のバックアップなど。
アルカリ蓄電池でパンタグラフのフックを外し架線と接触させ、
パンタグラフから電気が送られてきてようやく出発進行となります。
ちなみに、パンタグラフといえばこれまで菱形が主流でしたが、
最近ではシングルアーム式と呼ばれるくの字型が増えています。
なぜかというと、菱形に比べて部品の数が少なく、軽いため、
製造コストを抑えられると同時に車両自体の軽量化にも貢献できるから。
しかも、空気抵抗が小さいので騒音もダウン、メンテナンスの手間やコストまでダウンできます。
東京の一部の地下鉄にはパンタグラフを使わない電車が走っていますが、
こちらは横に取り付けられているレールから電気を得るサードレール方式(第3軌条方式)。
それとは別に蓄電池に電力を貯めて走らせる列車版EVなるものも登場しています。
さすがに観光用のSL(蒸気機関車)は必要ないだろうと思うかもしれませんが、
客車の照明や扇風機を動かすために鉛蓄電池を搭載。
他にも乗り物のバッテリーについて知りたい人は、
交通系の博物館で学芸員さんに聞くなどしてぜひ深掘りしてください。
今回はだいぶ “鉄分”多めの話になってしまいましたが、いかがでしたでしょうか?
自動車や電車に乗ったときに、ぜひ蓄電池のこと、
そして古河電池のことを思い出してくださいね!
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古河電池株式会社 産業機器営業統括部 営業技術部