蓄電池が、未来の社会を支える!?

異常気象が続いたり、16歳の少女が国連で温暖化対策を訴えたりと、
地球環境に関する話題が増えている今日この頃。
皆様の関心も高まっているのではないでしょうか。

 

そこで今回、取り上げることにしたのがスマートグリッド(次世代送電網)です。
スマートグリッドといえば、単純に、効率的に電力を供給するシステムのことと
受け取られがちですが、実は、地球環境に大きく関係しています。

 

アメリカでは2007年から再生可能エネルギーの導入が活発化し、
2009年10月にバラク・オバマ大統領(当時)がスマートグリッドを
グリーン・ニューディール政策の柱としたことから、注目を浴びました。
もちろんスマートグリッドで、エネルギーの効率化の促進や
再生可能エネルギーの導入に役立てるという狙いがありましたが、
たびたびアメリカ国内で起こる停電問題の解消もその理由のひとつでした。
日本では、2011年の東日本大震災直後の計画停電を受け、ニーズが高まっていきました。

 

具体的な特徴としては、ネットワーク、つまりIoTでつながるということ。
従来であれば、電力を使用する施設(需要家)が発電所から電力を
供給してもらっていましたが、スマートグリッドの導入により、
既存の発電所、再生可能エネルギーの発電所、
太陽光発電などを完備したビル・工場・家庭などがつながり、
発電量や電力消費量の把握、電力の融通もできるようになります。

 

また、電気を使うたび同時同量で電力事業者から供給される従来型とは異なり、
あらかじめ貯めておいた再生可能エネルギーを電力需要がピークになる
時間帯にあてて、非効率な電力供給をカットできます。
昼間に電気使用量の多い施設(需要家)では、
電気をあまり使わない深夜に電気を貯めて昼間にシフトさせて使えます。
これらピークカット、ピークシフトの実現のためには、
電力を貯める蓄電池が不可欠となります。

 

既存のエネルギーの使用量を削減し、クリーンな再生可能エネルギーを
活用するスマートグリッドは、今後ますます普及していくことでしょう。
そうしたときに、古河電池の蓄電池が新しいインフラを支えることで、
未来の社会に貢献できれば幸いです。

 

次回も関連する話題が続きます。お楽しみに。


 

 

 

 

バッテリー上がり、産業用蓄電池にはない!

「また上がっちゃった!」
寒くなると、自動車のバッテリーが上がって困る、ということがありますよね。
なのに、産業用蓄電池が冬に上がってしまうことは、まれ。
一体どういうことでしょうか?

 

それは、自動車用バッテリーと産業用蓄電池の充電方法が異なるからです。

 

ご存知の方も多いとは思いますが、
自動車の場合は、エンジンで生み出される運動エネルギーを
オルタネーターで電気エネルギーに変換し、バッテリーに充電する仕組みです。
長期間エンジンをかけていないと、各種電子機器に流れる微量な電流と
自己放電により、バッテリーの充電量が下がります。
さらに性能は、気温およびバッテリーの温度に左右されるため、
冬場によくバッテリーが上がります。
夏場のバッテリー上がりに関しては、エアコンと渋滞中の
頻繁なブレーキ使用が重なり、起こることが多いと言われています。
エンジン始動ができないほど低い充電量のまま、
高速道路のサービスエリアなどで一旦エンジンを切ると、
その後エンジンが掛からないという状況に陥ります。

 

一方で、停電に備える産業用蓄電池の場合も、気温および電池温度に左右されます。
しかしながら、バックアップ用途では日頃の放電機会がほとんどないうえ、
つねに自己放電で減った分の電気を充電し続け、満充電になっています。
ですから、正常な蓄電池であれば、突然の停電時に威力を発揮できるのです。

 

理想的なのは、約25℃など一定温度下の電気室に設置すること。
ところが、施設によってそうはいかない場合もあり、
もしも、電池温度が高くなる環境下であれば、寿命が短くなってしまいます。
たとえば、屋上の空調なしの空間に、直流電源装置を置くと、
盤内の温度が気温と共に上昇し、盤内の蓄電池に影響を及ぼします。

 

これは、なぜかというと、
①充電電流が大きくなり過充電になる
②過充電および電池温度が高くなることで格子の腐食が促進される
③電池内部で吸収しきれないガスの放出量が増加し、
必要な電解液量が確保できなくなるからです。

 

産業用蓄電池は、自動車用のように冬場にバッテリー上がりを気にしなくても
構いませんが、日本の平均気温は上昇していますので、
寿命は以前より気にした方がいいかもしれませんね。

 

古河電池では、適切な時期に適切なメンテナンスを行いますので、
「うちの蓄電池、大丈夫かな?」と思ったら、ぜひご連絡ください。