誕生したのは江戸時代!? 160年の時を経て未来へと進む鉛蓄電池

ケロケロケロケロ。

この時期、田舎道を歩いていると聞こえてくるのがカエルの声。
耳にすると懐かしさを感じる人もいるでしょうし、
穏やかな気持ちになる人もいるでしょう。

そんなカエル。実は、電池の誕生に関係しています。
日本では江戸時代だった1791年、イタリアの生物学者が
カエルの足に金属線をつなげると電流が流れるという説を発表。

ところが、電気が流れたのはカエルが原因ではなく、
2本の金属線が触れたからではないかと考える化学者が登場し、
1800年に食塩水でぬらした厚紙を銅、亜鉛で挟むことで電気を発生させ、のちに電池となりました。

さらに、1859年にフランスの化学者が鉛と希硫酸を使った鉛蓄電池を発明。
これが繰り返し使える二次電池の始まりです
(ちなみに使い切りタイプの乾電池やボタン型電池は一次電池と言います)。
 

さて、そんな歴史のある鉛蓄電池、これまでさまざまな産業で活用されてきましたが、
自動車やバイク以外にはどんな使い方をするのかご存知ですか?
 

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【鉛蓄電池の主な産業用途】
サイクルユース:常時、充電・放電を繰り返す用途。再生可能エネルギー向き。

スタンバイユース:常時、満充電の状態で待機し、停電時に放電する用途。
          非常時などのバックアップ向き。

ところが、スタンバイユースの鉛蓄電池なのに放電する機会が増えて、
結果的に短寿命になったケースが稀にありました。
それが、デュアルユースという用途です。

デュアルユース:スタンバイユースの運用型。週に1回程度、放電する機会がある用途。
         ある区間で頻繁に電気を止めて作業や点検を行う場合の
         バックアップ電源用途向き。
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古河電池ではスタンバイユースの運用において放電回数を増やしたデュアルユースの鉛蓄電池を開発。
さらにサイクル、スタンバイ、デュアルのどの用途でも使えるようにしました。

それがFCRシリーズです。

実際、サイクルユースとして使用した事例を見てみましょう。
 

ひとつ目はベトナムの南部地域の話。
ここでは街路灯をソーラーLEDにして同時にFCRシリーズを導入しました。
かつては停電が多く夜間に街路灯が消えることがありましたが、ソーラーで発電し、
FCRシリーズに蓄電した電力を停電時や夜間に使用することでつねに道を照らせるようになりました。

ふたつ目は船舶にFCRシリーズを搭載した事例。
太陽光がたっぷりと降り注ぐ船上なら太陽光発電ができる!ということで、再エネ船舶が誕生したのです。
ここではもちろんサイクルユースとして導入。
夜間や雨天のときは、電力が思うように発電できず電力供給が安定しないという
再エネならではのデメリットをFCRシリーズに蓄電することでカバーし、日常使いできるようにしました。

さらに、もうワンセット搭載し、スタンバイユースとして
通信機器のバックアップや非常照明用など不定期の電力供給に使うことに。
どちらも同じモデルで対応したため、初期費用が抑えられ、メンテナンスがしやすくなりました。

 

そして週に1回程度、計画停電をして作業や点検を行うといった場合にも
デュアルユースとしてFCRシリーズが活躍します。鉄道の踏切がいい例です。
商用系統からの電力供給を切って作業や設備点検を行う際に、
FCRシリーズから放電することで踏切に電源が供給され、停電時もそのまま使えるのです。

FCRシリーズの期待寿命はサイクルユースの場合は約4,000サイクル
デュアルユース、スタンバイユースはともに約12年

約160年前に発明された鉛蓄電池、未来はまだまだ用途が増えそうですね。



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古河電池株式会社 産業機器営業統括部 営業技術部