昔は、存在すらしなかったのに、いまは携帯電話を忘れた日はソワソワ、
画面の電池マークが減ったときはハラハラするようになりましたよね。
フィーチャーフォンからスマートフォンに代わり、
使用機会が増えたことで余計そう感じることが増えました。
普段でさえそうなのに、災害時はもっと不安ですよね。
東日本大震災では、携帯電話で情報収集していたら、
あっという間に電池切れして困ったという人も多くいたようです。
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そこで今回は、MgBOX(マグボックス)の開発秘話・後編をお届け。
災害時に携帯機器が充電できるMgBOX、前編では
水やジュース、そして想像もしないアレでも発電できることを
お伝えしましたが、MgBOXにはもうひとつ大きな特徴があります。
それは容器が紙製だということ。
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従来、充電器やバッテリーの容器は樹脂製だったため、
MgBOXの原型となるマグネシウム空気電池の試作品も
当たり前のように樹脂でつくっていました。
あるとき、使用済みの試作品を処分しようと
開発チームが部材と容器とを分別していたところに、
当時の技術開発本部長だった小野眞一(現代表取締役社長)がやってきました。
「それ、紙だったらそのまま捨てられるのに」
ぼそっとつぶやいて去って行きました。
片付けをしていたメンバーは電池の容器は樹脂製が当たり前と思っていたため
「本部長、何を言っているんだ?」と首を傾げました。
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しかし、そのひと言がきっかけとなり、
牛乳パックのようなもので容器をつくろう!ということになりました。
確かに使う人の立場になってみれば、廃棄が簡単というのは助かるはずです。
紙製容器に入った非常用充電池をつくれば、避難所でも処分しやすいうえ、
軽いので持ち運びもラクです。力のない女性や高齢者でも扱いやすいはず。と考えました。
そんな経緯があって、世界初の紙製容器に入ったマグネシウム空気電池MgBOXが誕生。
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かつて味わった「情報収集したいのに、電池残量がなくてできない」
「不安でしかたない」という気持ちを払拭すべく、
自然災害による被災地や企業の備蓄品として利用いただいています。
これからも日本各地に安心をお届けすることができたら嬉しいです。
いや、それにしても、アレでも発電できるなんて驚きですよね…。
【MgBOX開発秘話・前編】はこちらから