2018年1月15日
古河電池株式会社(本社:横浜市保土ケ谷区、代表取締役社長:小野眞一、以下古河電池)は、株式会社九電工(本社:福岡市南区、代表取締役社長:西村松次、以下九電工)が2018年1月から実証を開始したインドネシア東部スンバ島の太陽光発電と鉛蓄電池を組み合わせたエネルギーマネジメントシステム(以下EMS)向けに、日本製サイクルユース鉛蓄電池とバッテリーモニタリングユニット(以下BMU)を蓄電サブシステムとして開発・納入しました。
九電工が導入した太陽光発電と鉛蓄電池を組み合わせたEMSは、インドネシア政府機関の技術評価応用庁(BPPT)が保有する太陽光発電設備からの発電電力の品質を自動制御します。発電量の多い晴天時に余剰分を鉛蓄電池に蓄えるとともに、天候に左右されやすい不安定な太陽光発電の課題を鉛蓄電池がカバーし、太陽光発電設備から系統側へ供給する電力品質を一定に保つ仕組みです。
古河電池は、この太陽光発電と組み合わせる蓄電池として、サイクル用途の制御弁式鉛蓄電池FCP-1000(576セル、1.15MWh)をBMUとセットで納入しました。インドネンシア離島では電力系統が小規模で配電網も十分に発達していない場合が多く、一部未電化地域も存在し、電力事情が日本とは異なる状況にあります。本件により、インドネシア東部のスンバ島における電力安定供給や再生可能エネルギーの有効活用を促し、地域の発展に貢献していきます。
制御弁式鉛蓄電池FCPシリーズは、充電・放電を交互に繰り返す厳しいサイクルユースに対応するため、耐久性と長寿命化をはかるとともに、ユニット構造による省スペース化を実現した電池です。離島など現場へのアクセスが容易ではない環境下での不断の運用にも対応しうる性能を兼ね備えています。このFCPシリーズにBMUを搭載することにより、蓄電池の充電状態や劣化状態の常時監視が可能となり、システム運用における最適な運用方法の確立を支え、システムの高信頼化、安全・安心のレベル向上に寄与します。
なお、今回のスンバ島での蓄電池設置にあたり、古河電池は、九電工の指揮のもと現地工事会社に対して工事技術の指導を行い、蓄電設備を構築しました。九電工と古河電池が、日本での実証実験やそれぞれの事業における実績を通じて培ってきた技術や信頼を、新たにインドネシアに伝承したことになります。
古河電池は、蓄電池・電源事業のもつ「蓄える力、動かす力、見守る力」で「社会を支える」という企業使命のもと、アジアをはじめとする海外での事業展開にも注力しています。高品質・長寿命の産業用鉛蓄電池をBMUとあわせ、システムやサービスという新たな価値としてグローバルに展開することを通じて、社会に対してより大きな価値を提供できるよう努めてまいります。
古河電池株式会社 経営戦略企画室 企画部
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