古河電池株式会社(本社:神奈川県横浜市保土ケ谷区、代表取締役社長:黒田修)が開発・供給した宇宙用リチウムイオン電池は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)による金星探査機「あかつき」に搭載され、長期にわたる観測活動を支えてまいりました。

 「あかつき」は、金星の大気循環や気象現象の解明を目的とした日本初の金星探査機として、2010年5月に打ち上げられ、2015年12月に金星周回軌道投入に成功しました。その後8年間以上にわたり金星大気の観測を継続し、これまで太陽系最大の山岳波の発見や高速大気回転(スーパーローテーション)維持メカニズムの解明など様々な科学成果を挙げてきました。

 当社が提供したリチウムイオン電池は、探査機の観測機器、通信装置、姿勢制御系などの安定稼働に不可欠な電力供給を担い、太陽光が届かない状況下でも高い信頼性を発揮しました。宇宙空間という極限環境において、長期にわたり安定した性能を維持したことは、当社の技術力の証であり、宇宙開発分野における重要な貢献と考えております。

 このたび「あかつき」の運用終了に際し、当社はその軌跡と成果に深い敬意を表するとともに、今後も、高い信頼性が求められる宇宙向け用途で培ってきた技術力・品質・ノウハウを活かし、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。