最近、パソコンやスマートフォン、自動車を買い替えようとしたら、
すぐに手に入らなかったという人、いらっしゃいませんか?
原因は世界的な半導体不足にあるようです。
近年、IoT化などによりデジタル機器が増えてきましたよね。
電子制御が当たり前の自動車は、半導体を数多く搭載していることでも知られています。
移動通信システムが4Gから5Gへとシフトしつつあること、コロナ禍でノートパソコンや
ゲーム機などの需要が高まっていることも関係しています。
ロックダウンにより一時的に販売が落ち込んだ自動車業界は、意外にも早く需要が
回復したのですが、半導体は製造期間が長いため納期遅れや減産を招いています※。
また、12月にはアメリカ政府が中国へ禁輸制裁を下したことで、中国に代わって
台湾や韓国のファウンドリー(半導体受託生産企業)に注文が殺到し、
供給が追いつかなくなったという理由もあります。
それだけではありません。今年2月には寒波でアメリカ・テキサス州の
半導体工場が閉鎖。台湾では干ばつにより大量の水を使う半導体製造に影響が。
日本国内では、相次いで半導体工場で火災が発生しました。
よくぞここまでさまざまな要因が重なるものだと驚かされますよね。
※自動車生産は、今年夏の東南アジアのロックダウンも影響。
さて、そんな世間を賑わしている半導体。一体どういうモノなのでしょうか?
そもそも物質には、電気を通す鉄や銅などの“導体”と電気を通さないゴムやガラスなどの“絶縁体”があります。
半導体は “導体”と“絶縁体”の性質を半分ずつもっている物質で、
熱を加えたり光りを当てたりすると電気が通りやすくなります。
炭素やシリコン、ゲルマニウムがそれにあたります。
英語ではsemiconductor(セミコンダクター)で、semiは
「半ばプロのよう、セミプロだね!」や「シングルでは狭いし、ダブルだと
場所を取るからセミダブルのベッドを購入!」というときに使うsemiと同じ。
conductorは日本語にするとそのまま“導体”です。
半導体の歴史はというと、第二次世界大戦直後の1947年まで遡ります。
かつて電子機器は真空管で動いていましたが、半導体を使って小さな電気信号を
大きくしたり、回路を流したり止めたりするトランジスタがアメリカで発明され、
翌年にはトランジスタラジオが誕生。
以来、半導体はさまざまな電気製品に使われてきました。
私たちがよく耳にする半導体は、半導体チップや記憶装置のDRAM、
フラッシュメモリー、マイクロプロセッサ、発光ダイオードなどを指します。
普段は直接目にすることのない半導体ですが、
いま、こうして見ているパソコンやスマートフォンにも入っていて、
世界経済をダイナミックに動かしていると考えると一気に興味が湧きますよね。
自動車や産業用ロボットなどのメーカーと取引のある古河電池では、
今後も半導体の動向をチェックしていきたいと思います!