昨年11 月、住宅のソーラーパネルで発電した電力を
電力会社が高い価格で買い取る制度が終了し ました。
これでは、コスト・メリットが減ってしまい、再生可能エネルギーの活用は
進まないのでは?と思ってしまいますよね。
ところが、蓄電池を導入すれば、昼間に蓄電して夜間に使うことができ、
電力会社から買う容量を減らし、相殺することができるのです。
また、災害時の非常用電源にも活用でき、安心感も増します。
そこで最近、蓄電池が注目されているという訳です。
そんな再生可能エネルギーの活用には
リチウムイオン電池、鉛蓄電池のどちらの蓄電池でも対応できますが、
それぞれに特徴があるので、今回はその違いをお伝えします。
まず、リチウムイオン電池。こちらは、ご存知の通り日本生まれの電池で、
1991 年(平成3 年)に量産化が始ま り、以降、急速な勢いで普及が進みました。
小型・軽量なのに、エネルギーをたくさん貯め込んでたくさん放出できるという
メリットがあります。スマートフォンやモバイルバッテリー、
昨年夏に流行った携帯型扇風機など数多くのアイテムに活用されています。
ちなみに、古河電池のリチウムイオン電池は、小惑星探査機「はやぶさ2」に搭載。
いま、まさに、地球への帰還を果たすべく宇宙を飛び回っています。
ただし、リチウムイオン電池はシステム設計や運用が複雑で、
搭載するには優秀なエンジニアの力も必要となります。
進化途上のため、製品の仕様が短期間で変わる可能性もあります。
一方、鉛蓄電池が発明されたのは、日本ではまだ江⼾時代、1859 年のフランス。
国内では1895 年(明治28 年)に試作され、
古河電池(当時古河電気工業)では1914 年(大正3 年)に
電池製作所を設立、鉛蓄電池の製造を始めました。
鉛蓄電池は、古くから世界中で使われ、安全で安定しているのが魅力です。
また、原料が安く、複雑な制御回路が不要、低価格といったメリットもあり、
役割を終えた鉛蓄電池は、ほぼ100%回収・ リサイクルされ、
そのうちの約70%がまた鉛蓄電池として蘇ります。
小型・軽量という強みをもつリチウムイオン電池と比べると、
重たく、少々かさばるため、設置場所も必要となりますが、
スペースに余裕のある施設に据え置くのであれば、
鉛蓄電池を選択するのもいいかもしれま せんね。
古河電池では、再生可能エネルギーを活用したスマートグリッド構築に、
鉛蓄電池で対応しています。すでに国内外 での導入・運用実績がありますので、
ご興味のある方はぜひご連絡ください。
普段、何気なく使っている電池。身近な存在なので、
あまり深く考えたことがないという人も多いはずです。
そこで改めて、電池とは何か?を紐解いてみようと思います。
その歴史は、いまから200 年以上前。
1780 年代に、イタリアの生物学者ガルバーニがカエルの足に金属を触れさせると
筋肉が動くことを発見。これが、電池をつくるきっかけになったと言われています。
その後、1800 年にボルタ電池、1836 年にダニエル電池、
1859 年にフランスの科学者プランテが鉛蓄電池を発明しました。
電池は、直流の電気を発生させるもので、
交流の電気を発生する発電機は、電池のカテゴリーには入りません。
それでは、電池の種類はどのくらいあると思いますか?
実は、世界に4,000 種もあるのです。
そして、それらは、化学電池、物理電池、生物電池に分類されていて、
私たちがよく使用しているのが化学反応により電気を得る化学電池です。
化学電池は、さらに、使い切りの一次電池、充電して何度も使う二次電池(蓄電池)、
水素と酸素を反応させて電気を得る燃料電池に分類されます。
一次電池も二次電池も、時間とともに電圧が低下していくのは同じですが、
二次電池の場合は、一定の範囲を超えて過剰に放電したり、寿命期に至ると、
突然電圧が大きく下がるという特性があります。
そこで電池メーカーではあらかじめ目安になる使用期間をお伝えしたり、
定期点検の実施をおすすめしているのです。
古河電池の主力製品である鉛蓄電池は、もちろん二次電池の一種です。
二酸化鉛、海綿状鉛、電解液に希硫酸を使用した構造になっていて、
自動車用、オートバイ用、産業用などの種類があります。
ちなみに、乾電池がなぜ「乾く」という字を使うのかご存知ですか?
そもそもは、電解液を液体の状態で使っていた電池があり、
こちらが「湿電池」であるのに対し、電解液がこぼれないように
固体にしみこませた電池ができて、乾電池と名付けられたのでした。
知られざる電池の世界、いかがでしたか?
「なるほど」と思ったら、ぜひ、周囲の人に話してみてくださいね。